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油彩絵具 > ベルギーブロックス > 絵具10色セット

 

油彩画発祥の地・ベルギーBLOCKX社製

 

 

 

俵屋工房厳選

 

 

伝統の十色セット 

ブロックス油彩絵具10色セット

 

 

油彩画発祥の地で受継がれた伝統の絵具作り

BLOCKXの絵具には顔がある。もちろん絵具は、すべて均一な状態で

出荷されるのであるが、手元に届いたときの使用感は、一本一本、

微妙に異なるのだ。それは当たり外れというわけではない、

私たち絵師が、良質な油と顔料だけで手練りした時と同じ現象なのだ。

混ぜ物を頑なに拒んできた、BROCKXの技術者による生きた絵具の証である。

 

ご注文時に在庫をご確認ください。

代理店輸入中止により在庫なくなり次第廃番になります。


No.

品名

英名

カラーインデックス

1

フレークホワイト(シルバーホワイト)

FLAKE WHITE 

PW1

2

カドミウムイエローペール

CADMIUM YELLOW PALE 

PY35

3

インディアンイエロー 

INDIAN YELLOW 

PY154+PO73

4

イエローオーカー 

YELLOW OCHRE 

PY42

5

カドミウムレッド

CADMIUM RED 

PR108

6

クリムソンレーキ

CRIMSON LAKE 

PR264

7

バーントシエナ ディープ

BURNT SIENNA DEEP

PBr7

8

ライトレッド

LIGHT RED 

PR102

9

マースブラック

MARS BLACK 

PBk11

10

フレンチウルトラ.ブルー ディープ

FRENCH ULTR.BLUE DEEP 

PB29


参考資料

七色で複製・バロック時代の国宝絵画
(長崎歴史文化博物館蔵:俵屋工房製)

十色以内で描く名画のレプリカ展

(大倉山記念館:俵屋工房主催)

 

 


市販絵具に求められることには、「画材店の棚に並べられた絵具は、何十年間たっても

チューブの中で固まらないこと。そして、チューブから搾り出した絵具は、キャンバスの上で、

できるだけ早く乾いて丈夫な塗膜をつくること」。ではないだろうか。

この相反する要望を満たすには、何らかの添加物が必要になるのかもしれない。

俵屋工房の手練り絵具は、長く保存させることよりも、塗膜の堅牢性を重視するので長くは

持たない。ブロックス社は、そんな昔ながらの手作り絵具をよく知っているはずだ。

だから、余分な混ぜ物を加えない。そして、本来ならば添加したい天然樹脂分は、

アンバーソリューション(琥珀のメジューム)によってバランスを図っているように思われる。

 

普通の絵具は、絵具同士が弾き合うような感じがする。ブロックスの絵具は、

絵具同士もしくは顔料同士が、心地よく馴染みあう。シンプルな素材で作られている所以だ。

市販絵具に天然樹脂分を添加することは難しい。だからこそ描画時には、樹脂溶液と乾性油

による新鮮なメジュームが必要になる。[RT・ペンティングメディウム]は、そのための存在だ。

 


 

No.01

TW-42100 フレークホワイト (シルバーホワイト)  35 ml

C.I.Name : PW1 (塩基性炭酸鉛) 結合材:ポピーオイル

 

油彩技法の歴史はこの白から始まった。原料が鉛なのでシルバーホワイトと呼ばれるほか、クレムニッツホワイトのように産地や製法による名称もある。この絵具のフレークとは、顔料の結晶が板状だからだ。近代になると工業的にもより白いものが求められるようになり、ジンクホワイトやチタニウムホワイトが発明された。日本の油彩画は、印象派以降の技術から始まったこともあり、シルバーホワイトの価値を知る人は少ない。絵具メーカーでさえも、「他の白よりも発色は、決して強くはない」や「毒性」を強調する。世界の大美術館を飾る名画は、この白で描かれている。しかし、ヨーロッパのいくつかのメーカーは、この絵具を廃盤にした。

目に優しい自然な白は、純度が高く性能の良い近代顔料では表現できない。油彩画の発祥の地ベルギー、BLOCKX社は、これからもこの絵具を、私たちのために作り続けてくれるだろう。そして、いつかまたこの絵具の魅力が再認識される日が訪れることだろう。

 

FLAKE WHITE No.081  Pigment : PW1

Grounded with Poppyseed Oil  Packaging : 35 ml

 

*2009.04.10より35mlに変更

 

Material Safety Data Sheet in PDF file

 

  

No.02

 

TW-42112 カドミウム イエロー ペール [不透明] 20 ml

C.I.Name : PY35 (カドミウムイエロー) 結合材:ポピーオイル

 

[巨匠たちの黄色]とも呼ばれる古い時代の黄色は、天然鉱物から作られた。俵屋工房が所有しているものは、フェルメールの黄色い衣装のように優しい表情をしている。それに比べるとこの絵具の黄色は強い。しかし、カドミウムイエローを、そのまま使うことはほとんどない。白と黄土を混色して昔のオルト黄にしたり、ネープルスイエローのような色合いにしてから使う。これに赤を加えれば女性の肌色になる。いわゆる市販製品の「ネープルスイエロー レディッシュ」になる。メーカー製品も、同じようにして作られている。

BLOCKXのカドミウムイエローの中で最も明るい黄色なので、黄色味を強めたい場合は、インディアンイエローで。オレンジにしたい場合は、カドミウムレッドを混色する。

 

CADMIUM YELLOW PALE (ref. 2.x.711)

Pigment : PY35  Cadmium Sulfure

Lightfast rating : Very good (BWS > 7) Opaque

Grounded with Poppyseed Oil   Packaging : 20 ml tube

 

  

No.03

TW-42114 インディアン イエロー [透明]  20 ml

C.I.Name : PY154(ベンズイミダゾロンイエロー)

+PO73(ピロロ-ピロール/多環式系顔料)

結合材: リンシード オイル

 

古い時代の絵にこの絵具が使われたとしても、その色は現存しないだろう。透明感あるインディアンイエローは、染料系の有機顔料で作られてきた。しかし、その耐光性は、無機顔料に比べれば決して強くない。BLOCKXのカタログには[BWS 7]とある。これは「耐光性国際規格」を示すもので、この絵具の堅牢性の高さを示している。

メジュームで薄く延ばして何層も塗り重ねれば、七宝焼きのような画肌になる。その透層を一度で得たいなら、メジュームフラマン(ルフラン社)のようなジェル状のメジュームがよい。

この絵具の主な役割は、調色のためのエッセンスだ。例えば緑を作るとき[空の青と大地の黄土]で作る。しかし、光を通すような可憐な新緑を表現するには、この絵具が必要だ。そのほか、カドミウムイエローでは強すぎるときの肌色の黄色味、からし色の花びらにも心地よく応えてくれるし、アンティークなギャラリートーンにも欠かせない絵具だ。

 

INDIAN YELLOW (ref. 2.x.511) Pigment : PY154+PO73

Lightfast rating : Very good (BWS 7) Transparent

Grounded with Linseed Oil    Packaging : 20 ml tube

 

   

No.04

TW-42117 イエロー オーカー [不透明]  20 ml

C.I.Name : PY42 (黄土・水和酸化鉄)  結合材:ポピー オイル

 

一般的な色材であるが、油彩画にとっては、極めて重要な存在である。

私たちが大地の上に暮らすように、そもそも油彩画は、土を塗った土台の上に絵具が塗られたのである。基底材(板や布)+支持面(天然白亜や黄土・赤土)+絵具層のように。

大地の栄養と青空によって育まれた木の緑は、大地から得た黄土と大空の青をパレットの上で混ぜて作る。この緑で木の葉を描くか、あるいはビリジャンやクロムグリーン、あるいはフタログリーンで表現するかが、古典絵画と近代絵画の違いでもある。

ロイスダールの森の色、レンブラントの黄金色、様々な下地の色合い、みずみずしい肌色・・、すべてこの絵具が主役となる。

 

YELLOW OCHRE (ref. 2.x.111)  Pigment : PY42  

Lightfast rating : Very good (BWS 7) Opaque

Grounded with Linseed Oil    Packaging : 20 ml

 

  

 No.05

 

TW-42122 カドミウム レッド [不透明]  20 ml

C.I.Name : PR108    結合材:ポピー オイル

 

カドミウムレッドは、古い時代のバーミリオンに代わる近代顔料である。私たち絵師は、古い時代のものに憧れる傾向があるかもしれない。しかしこの顔料は別。先達にも胸を張って自慢できる絵具である。焼成方法によっては、オレンジ色から濃い赤まで製造できるし、着色力も耐光性も優れた無機顔料となる。

赤を選ぶときは、ファンアイクのターバンの色、レンブラントの赤い衣装・・を基準にしてきた。どちらかというとこの絵具は、前者に似た鮮やかな澄んだ赤である。着色力が強いので微妙な色調を得るには、慎重なパレットワークが求められる。明暗表現は例外だが、青や赤は、できるだけ混色せずに使いたい。赤色の表現技術は奥深い。高橋メソッドの油彩画三大様式による巨匠たちの手法は、大いに役立つだろう。

 

CADMIUM RED (ref. 2.x.823) Pigment : PR108  Cadmium Sulfo Selenure

Lightfast rating : Very good (BWS > 7) Opaque

Grounded with Poppyseed Oil   Packaging : 20 ml

 

   

 No.06

 

TW-42126  クリムソン レーキ [透明性]  20 ml

C.I.Name : PR264    結合材:ポピー オイル

 

アリザリンレーキ、マダーレーキ、ラックレーキは、それぞれ透明性の赤色だ。古い時代では茜の根(マダー)やカイガラ虫の色素で白土を染めたいわゆる染料系顔料で絵具を作った。そもそも染料系の有機顔料は、耐光性が低いとされてきたが、英文の解説にもあるように、この絵具の耐光性は、特別に優れているので安心して使える。

黄色系のエッセンスがインディアンイエローなら、この絵具は、赤色系のエッセンスとして重要な存在だ。みずみずしく澄んだ子供の肌色ベースや頬のチークの赤は、この絵具だけにするか、カドミウムレッドよりも割合を多くする。ピンク色に輝くシルクや可憐な花びらは、この絵具とフレークホワイトとの組合せならではの競演となる。

 

CRIMSON LAKE (ref. 2.x.427) Pigment : PR264

Lightfast rating : Very good (BWS 7) Transparent

Grounded with Poppyseed Oil  

Packaging : 20 ml

 

   

 No.07

 

TW 42156 バーアント シエナ ディープ [半透明]  20 ml

C.I.Name : PBr7    結合材:リンシード オイル

 

バーントシエナは、濁りがなく澄んでいて、しっかり機能(発色)するものがよい。

人物画の明暗表現は「最明部=白、明部=肌色、中間=黄土〜バーントシエナ、最暗部=黒」といった構成となり、バーントシエナは、最暗部と中間層を繋げる重要な役割がある。もし、この部分を、黄土色と黒だけで処理すれば、精彩を欠いた非現実的な人物表現となる。通常、イエローオーカーは、ハイキーと中間を、バーントシエナは、ローキーの黒と中間のイエローオーカーの間を取り持つ。例えばレンブラントの人物画の場合、最暗部から最明部に至るまでの範囲が2ミリにも満たないアイライン上部でも、濁らず、くすむこともなく、みずみずしく発色させられるのは、この絵具の存在にほかならない。

BLOCKXのバーントシエナは、イエローオーカーはもちろん、少々の白がローキーに進入しても平然として役割を果してくれる。顔料密度の低い製品では不可能なことである。

 

BURNT SIENNA DEEP (ref. 2.x.143) Pigment : PBr7

Lightfast rating : Very good (BWS 7) Semi-transparent

Grounded with Linseed Oil  

Packaging : 20 ml

 

   

 No.08

 

TW-42151 ライト レッド [半透明性]  20 ml

C.I.Name : PR102    結合材:リンシード オイル

 

ベネシャンレッド、イングリッシュレッド インド赤・・は、似た色の絵具。それぞれの名称と色合いには、規格基準はなくメーカーごとで決められている。

私たちが赤土絵具を選ぶ際に必要な情報は、その絵具の顔料が天然か合成かである。

天然のウルトラマリンの発色が、合成ウルトラマリンよりも遥かに弱いように、赤土顔料も同じことがいえる。とはいえここで求められるのは、着色力と隠蔽力に優れた合成品ではなく、穏やかな発色と控え目な着色力の天然土だ。微妙な調子を操作する肌色ベースとしても重宝するし、デルフトや横浜港の赤レンガの表現には、まったく同じ成分のこの絵具よりもふさわしいものはないだろう。また、ライトレッドやローシエナは、ルネサンス〜バロック時代の下地の定番でもある。

 

LIGHT RED (ref. 2.x.123) Pigment : PR102

Lightfast rating : Very good (BWS 7) Semi-transparent

Grounded with Linseed Oil

Packaging :20 ml

 

  

 No.09

 

TW-42172 マース ブラック (鉄黒) [不透明]  20 ml

C.I.Name : PBk11    結合材:リンシード オイル

 

黒にはアイボリー、バイン、ピーチ、ランプといった銘柄があるが、名称と原料が、一致するメーカーは少ない。例えば、本物の象牙でアイボリーブラックを作っているメーカーは日本にはない。黒色の名称は動物の骨やぶどうの種など、煤を作る原料に由来するが、今日では、生産性や性質的にも安定した鉄やカーボンをベースにして、従来の色調を混色して得るのが主流。

この絵具は、原料と名称が一致する珍しい製品だ。俵屋工房では、ランプブラックも使っているが、より多くの方がお使いになれるよう[茶色いアイボリーブラック]と[青いランプブラック]の中間にあたるマースブラックを選択した。

その他、湿気の多い日本で、動物の骨で作ったアイボリーブラックは、薦められない。確実にカビの原因になるからだ。

 

MARS BLACK (ref. 2.x.375) Pigment : PBk11

Lightfast rating : Very good (BWS 7)

Opaque Grounded with Linseed Oil

Packaging : 20 ml 

 

   

 No.10

TW- 42132 フレンチ ウルトラ.ブルー ディープ [透明]  20 ml

C.I.Name : PB29    結合材:ポピー オイル

 

油彩画の歴史的な顔料のひとつが天然ウルトラマリン、いわゆるラピスラズリ[Lapis razuli]だ。19世紀に合成ウルトラマリンが発明されるまでは、絵師たちはこの貴重で高価な青を使っていた。俵屋工房は、青に対する基本的な考え方を持っている。例えば、練習で名画を模写するときは、たとえ手本のテキストとは異なる青でも、手持ちの青の色を尊重して使う。これは、古い時代の絵師たちも、入手した青を、そのままの色で使用していたはずだからだ。そのほか、チューブから出した絵具をそのまま使わない。これは強力な着色力と透明性を落すためであり、見方を変えれば、天然の青に近づけるためでもある。青や赤は、混色せずに使用するのが基本だが、例えば、セルリアンブルーの色合いやギャラリートーンのように緑がかった青を得たいときは、インディアンイエローと混色するとよい。どうしても目的の色が出ない場合は、他の銘柄から選択してほしい。

 

FRENCH ULTR.BLUE DEEP (ref. 2.x.253) Pigment : PB29

Lightfast rating : Very good (BWS 7) Transparent

Grounded with Poppyseed Oil

Packaging : 20 ml

 

 

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