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高橋メソッド・中津美術研究所



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(資)俵屋工房製・手工キャンバスについて

製品解説
・支持体の選び方[其の二]下地色と画面効果
・はじめに
・下地色と実地の態様
・三種類の支持体と特徴 支持体レポート
・製品の特徴 ご愛用者様からの声
実線編 俵屋工房・作家部会の皆様からのメッセージ
・支持体の選び方[其の一]選択の目安














はじめに

最初に絵具が塗られる画面を支持面と呼びます。支持面の性質には、水性から油性などがありますが、本製品は油分の少ない、中性タイプの半吸収地(*1)
です。
一般的に、この中性地は水性と油性の結合材を、何らかの方法で乳化させて作られますが、本製品は、水と油を無理やり混ぜることなく、まったく自然な方法で作っています。
俵屋工房では、四半世紀以上前からこの方法で、中性地を作ってきましたが、古い時代の絵師たちも、同じような製法で支持体を作っていたことが、最近の調査でも確認されはじめています。

三種類の支持体と特徴


■水性タイプの吸収地・・・100%水性なので、制作初期にはテンペラなどの水性絵具を使用することが出来る。乾燥後の地塗り塗料には柔軟性がないので、パネルなど丈夫な基底材が必要(15世紀系の支持体)

■中性タイプの半吸収地・・・吸収力の度合いは、油性と水性の結合材の割合によって幅がある(O/W)。油分が少なければ、水性タイプと同様、水性絵具を使用することが出来る。水性タイプで触れた柔軟性についても、同じことがいえるが、地を厚く塗り過ぎると、もろくなり、容易に割れる

■油性タイプの非吸収地・・・天然油や合成樹脂など結合材の主成分は、まちまちだが、市販製品の大半がこのタイプ。三タイプの中では、最も柔軟性があるので、初心者でも取扱うことが出来る。吸収性が無い地は、支持面に絵具の根をおろすことが出来ないので、厚塗りされた絵具は、乾燥後、綺麗に剥がすことも出来る。使用する際は、接着力を強化したメジュームの使用が大前提であるが、経年後の剥離は、覚悟の上で使用したい。
*(俵屋工房が扱うクレサンジャパン「A-LINE」シリーズは、エマルジョン系の結合材を使用しているので、表面には光沢もツルツル感もない。アクリル絵具の使用できることから、油彩絵具の食いつきは、油性タイプのものよりも良好)


*1 油性分(O)と水性分(W)の比率の目安は、[O/W=7/3]。水性絵具には、ギリギリ不向きな非吸収性タイプよりのエマルジョンタイプ。

「水性タイプは、作るのに手間と技術が必要だが、その分、他のタイプでは得られない独特の画肌が得られる。一方の油性タイプは、キャンバス自体は、とても丈夫だが、絵具層の堅牢性が心配」。三者三様、それぞれに一長一短がありますが、どの支持体を選ぶかは、表現目的や意図する画面効果によります(詳しくは[下地色の選び方]をご参照ください)。
そういった面からも、古い時代の画家たちが、水性と油性の折衷として、中性タイプの支持体処方を積極的に研究してきた所以でしょう。

製品の特徴

製品は、一枚一枚すべて手作です。一般に生キャンと呼ばれる、地塗りなどが施されていない麻布でキャンバスを作る場合、最初の張りを「仮張り」といい、軽めに引っ張って釘も仮止めします。40−50号以上の場合は、手だけで引っ張って仮止めをします。

麻布には強度の伸縮性があり、もし、大きいサイズのものを、地塗りされたキャンバスと同じような力で張った後に、サイズ引きや水性塗料を施せば、木枠を折るくらい収縮することもあります。そして、伸縮性を失った布は、ちょっとした衝撃でも裂けやすくなります。

製作時の引っ張り具合の調整には、熟練が必要です。「なぜ、そこまで手間隙を掛ける必要があるのか?」とのご意見も少なくありません。ぜひ一度、普通のキャンバスと俵屋工房の製品に、同じ絵を同じように描いてみてください。その理由がお分かりになるはずです。もし、分かりづらかったら、画商さんやキュレーターさんといった専門家、あるいは絵の好きな方に見比べてもらってください。それでも違いが確認できなかったら、俵屋工房のキャンバスは、お勧めできません。今までどおりのキャンバスをご使用ください。

原材料と性質 支持体タイプ:中性タイプ・半吸収性 *下絵にテンペラや水彩絵具は使用できません木枠:米杉/麻布:クレッサン社・サイズ引き麻布(ベルギー製)/地塗り塗料:天然白亜+サイズ(兎膠)/下地塗料:油彩絵具+ターペンタイン


*1 中性地塗り塗料には、油性と水性結合材の割合によって、油性地または水性地に近い性質になります。俵屋工房では、[−3]で完全水性地・[±0]で中性地・[+3]で油性地としています。本製品の指数は[+2]で、下絵などに水性結合材によるメディアは、使用できませんのでご注意ください。

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支持体の選び方[其の一]選択の目安

一般的に、下地色と表現上の画面効果との関係については、さほど問題視されていないようですが、専門家の絵師は、意図する表現を得るためには、まず最初に基底材(板や麻布)、次に地塗りの処方、そして下地色の選択から始めます。

「どんな色でも良いので、下地を塗ってから描きなさい」と、絵の先生から言われて、困られた方もいらっしゃることでしょう。
下地色の選択方法は、複雑な要素もあり千差万別ですが、大まかな目安としては、意図する画風が「明るいか、暗いか」あるいは「軽快か、重厚か」があります。

例えば、ラウル・デュフィのように、「明るくて軽快」な画風には、白や象牙色のような明るい下地が向きます。これとは対照的に、光と影によるバロック時代の重厚なブラウン様式には、赤土や黄土色、あるいは黒に近い灰色などの下地が適します。

ただし、ここで注意したいのは、「軽快さ」と「重厚さ」の意味です。
明るい下地色では、透明不透明色を問わず、たとえ薄塗りでも絵具はよく発色します。逆に黒系から褐色系による暗色地の場合、明部や色彩を強調するには、相当量の絵具を塗り重ねたり、白系の絵具を加えて不透明にして厚塗りする必要があります。その結果、絵具の量による「ボリューム感=重厚さ」につながります。とはいえファン・エイクのように、明るい下地に描かれた絵であっても、軽快で軽やかというよりも、むしろ重厚さを感じさせる技術もあります。つまり、「明るい下地=軽やか」「暗い下地=重厚さ」と、一概に決め付けることは出来ないのです。

そこで、下地色選びのもうひとつのヒントですが、例えば、「夕焼け風景」など、同じテーマの絵を、[黄土・アンバー・赤土・灰色・白]の下地に、まったく同じ描き方で描いて見てください。そして、その表現が、どの下地色が最もふさわしいかを見比べてください。最もふさわしい地色が見付るはずです。
(一般的には、琥珀色に染まった空や木々を表現するには、赤土や黄土系が活用されます)

そのほかの目安としては、これから描こうとするが、「金色系と銀色系」のどちらの額が合うかをイメージしてみてください。もし、金色か金に近い銀色ならば、赤茶色・黄土色。銀色ならば、灰色・明るい白系の下地が無難です。
ちなみに、「黒紫からピンクに染まった、プラチナのように冷たい冬の朝焼け」ならば、迷わず、冷たい灰色下地。額装には、銀色もしくは、黒または黒に近いコゲ茶色です。

  
 明色地                     暗色地

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支持体の選び方[其の二]・下地色と画面効果

■ローシエナ[Raw Sienna]
下地の役割のひとつに、ローキー表現の支援・助長があります。
作品の最明部と最暗部に対して、下地が中間トーン以下の暗さであれば、その下地は、そのまま影の一部の調子として
活用できます。そういった点で、このローシエナ系の下地の用途は、幅広いものがあります。人物画の背景〜山肌〜人物の影〜石や木…などの一部の調子として、そのまま塗り残したり、透けるようにして活用することが出来ます。
また、例えば百年以上の経年変化により、下地が僅かに褐色化した名画を模写する際には、オリジナルの下地とほぼ同じ条件で複製することができます。

■ローアンバー[Raw umber]
ローシエナよりも調子は、若干暗くなります。重厚な画風、あるいは光と影のコントラストを強調したい場合に活用されます。一見、精彩に欠けた、まさに土っぽい下地ですが、油彩画技法の定石のひとつに「不透明な下層の上に透明層を重ねる」があります。言葉を変えれば、最下層の色層は「鮮やかではなく、派手でもなく、でしゃばらない調子」となり、アンバー系の下地が重宝がられる理由でもあります。また、この地色による透明感あるみずみずしい緑や青は、他の地色では表現できない美しさがあります。

■レッドアース[Red Earth]
明るい下地から始まった15世紀のフランドルの技術は、16世紀のイタリアによって、様々な点で大きく変貌しました。
それまでは、小さな作品が主体であった油彩画の大きさも、次第に拡大化されました。当然、地塗りには、大量の顔料が必要になりましたが、イタリアの地に豊富に埋蔵される赤土を、当時の絵師たちは、見逃さなかったと思われます。
また、光を劇的に強調するためには、画面の多くを暗い影で覆う必要があることから、暗い赤土の下地は、暗部を処理する上でもとても便利だったのです。暗色地からの明部の処理は、まずは、不透明な絵具を塗り重ねたり、厚塗りしたりして暗い下地を覆い隠すことから始めます。これを何層か繰り返すと、明部の絵具の厚みも増され、造形的な重厚さにもつながります。


■グレイグレイ[Gray Gray]
光源を徐々に絞っていくと、物は色みを失い無彩色となります。逆に、光を徐々に増やしていけば、様々な色彩が現れてきます。無彩色の下地に無彩色の下絵を準備してから、本制作で彩色する方法は、油彩画の基礎を学ぶ上での基本です。製品名は「グレイグレイ」と重複しています。これは、ほとんど白と黒だけによる灰色であることを示します。灰色には赤・青・黄・茶色っぽいものがありますが、グレイグレイは純粋に近い灰色ですので、どのような色彩表現にも適応します。

■筆跡オーカー[touch Ochre]
下地色と明暗の調子は、その作品の表現上の基盤となります。そしてこの基盤に、もうひと演出を加えるとしたら、下地の塗り方です。丁寧に平坦に塗られた下地は、清楚であり落ち着いた雰囲気を醸し出します。一方、筆跡を残した下地は、その大小にもよりますが、その絵に躍動感や荒々しさを与えます。
絵師の用語に「抜く」があります。これは悪く言えば「手を抜く」とも解せますが、正確には「間を設ける」ということです。つまり、下地がすべて隠れるように塗りつぶすのではなく、部分的に透けさせたり、塗り残したりする処方ですが、そのバランスは、作者の感覚やセンスに委ねられます。「どこをどの程度、塗り残すか」あるいは「演出効果を狙って、地をそのまま活用する」、いわば省略することで表現を充実させるわけですから、ある程度の経験と技術が必要かもしれません。


  *通販リストには未掲載ですが、ご用命がありましたら、お作りしますので、お問い合わせください。
   価格は、他の手工キャンバスと同額です。


■アイボリー[Ivory]
  *通販リストには未掲載ですが、ご用命がありましたら、お作りしますので、お問い合わせください。
   価格は、他の手工キャンバスと同額です。


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下地色と実地の態様
名画による参考例
人物系(*1)
名画による参考例
風景・静物系(*1)
実地の態様例
ローシエナ
[Raw Sienna]
すべてを描き込まないで「抜く」表現。随所に下地を活用するレンブラントの手法は素晴らしい この作品が描かれた時の下地は、もう少し明るかったかもしれない。しかし、俵屋工房が、現在の画肌を再現する際には若干、暗い下地を準備した。 下地と同系の黄色との相性はすこぶる良好である。フラゴナールのこの黄金のような黄色の衣装、別名「モウカル・イエロー」を表現するには欠かせない下地色
ローアンバー
[Raw umber]
土っぽく乾いたような表現を得意とする下地色。その中で、たとえば、みずみずしく輝く肌色を表現すれば、相反する存在によって効果も増大する。使いこなせれば、また新たな表現の誕生を予感させる地色。 黒系から灰色では単調な色彩になる。黄土系や赤土では発色が優しくなる。アンバー系の下地は、その折衷的存在。
こだわりのある額縁職人は、一通りのアンバーを試用する。箔の理想的な発色を得るためだ。下層の色層と上層との連携が、いかに大切であるかだ。
この作品の下地は、アンバーに若干の黄土を加えている。仕上がり画面よりも、はるかに明るい下絵を準備しているのは、最終的に透かして見せる下地色とは、相反する七宝焼きのようなプリミティブな画肌を得るため。
レッドアース
[Red Earth]
暗色地からのアプローチは、全体からすると一割程度を占める明部表現のために、暗い下地を覆い隠すことから始められる。明部を徐々に充実させていくことによって、明暗の幅が広がり、自動的に明部も充実する。本制作の中期から後期にかけての発色は、劇的に変化する。絵師のそれまでの手間隙が報われる時でもある。 15世紀の技術では、明るい下地の上に、ラピスラズリを塗り重ねた。16世紀には、赤土の上に青を塗った。
宝石のサファイアを白と黒のテーブルに置いたら、黒の方が発色が鈍くなる。その改善策として、光がサファイアを透過しないように、白を分散させて青を表現した。つまり発色力の弱い絵具や透明色の絵具には、白などを加えて不透明にしてから塗る必要があった。参考作品はバトーニだが、彼の赤土と青の組み合わせは、とても美しい。
高橋メソッドの第二様式による赤い布の習作。デッサンを準備したら、黒の次に中間調子、つづいて明部の順で処理、最後に全体を「なめして」モデリング。このスリートーンベースをさらに充実させて、次の工程に繋げる。
高橋メソッドで、初めて三つの様式を経験した研究生たちは、「同じテーマの絵を、まったく同じ材料で描いたとしても、下地の色や描画技術によって、さまざま表現が出来る」という、油彩画技法の幅広さと奥深さを知らされる。
グレイグレイ
[Gray Gray]
真っ白い下地に塗られた絵具の発色は確かによい。しかし、その絵の最明部に相当する地色から、何かを表現する場合は、まず地色を暗くすることから始めなければならない。「あまりにも白すぎる地色は、当初の制作を厄介にする」とも言える。その点、無彩色で、少し調子を落とした下地だと、アプローチがしやすくなる。 今日の張りキャンのような既製品のホワイトキャンバスに直接描かれた印象派の明るい画風に対し、若干、下地の調子を暗くした支持体は、発色に深みや渋みを与える。
かといって、市販のキャンバスに何らかの下地を塗ったとしても、俵屋工房の手工キャンバスと同じ効果を得ることは出来ない。非吸収地の上に油性の下地を塗れば、最初に絵具が塗られる支持面の油分は、極限の状態に陥ってしまう。
油彩画で初めてオリジナルを描く人は、既製品のホワイトキャンバスよりも、灰色などで若干、着色された支持体の方が、描きやすいだろう。
また、油彩画に入る前の基礎デッサンなどで、灰色の地で「二色デッサン」を経験された方ならば、なおさら、この手の支持体が望ましい。人物や風景を問わず、基礎的な物の表現方法は、まずは白黒から始めたい。そのほか、灰色系の下地は、若い女性や子供の透き通った肌色を表現するのに適している。
筆跡オーカー
[touch Ochre]
清楚で穏やかな表情の女性は、一見、平凡な肖像画に見えるが、長い時間、見ていても飽きさせない躍動感が伝わってくる。背景の青空と暗雲によるものかもしれないが、おでこや背景の薄塗りされた部分からは、下地層の斜め筆跡が覗える。
ムラなく塗ったものと、筆跡を残した下地を実際に描き比べれば、後者の方が画面に動きを与えることが確認できる。
中間トーン系の随所に、下地もしくは下層の色層を、露出させることで画面効果を演出している。「塗りこむところ」と「抜くところ」を強調することで、写真とは異なるリアルさと絵的な雰囲気を醸し出すことが出来る。
表現スタイルとしては、とても「おしゃれな手法」。
この応用例はキャンバスではなくシナベニヤによる板絵である。
キャンバスの場合、布目による光の乱反射も特徴のひとつだが、板の場合は、ほとんどツルツルなので、同じ面積を平坦に塗れば、キャンバスよりも単調に見えてしまう。
しかし、「この絵は板絵です」と言わんばかりに、強調したいところを厚塗りして、逆に筆跡を残した下地を随所に塗り残しすることで、キャンバスとは異なる躍動感が得られる。
つまり筆跡のある下地は、表現的にも重要なエッセンスになることが分かる。
アイボリー[Ivory]
「出来るだけ明るい画面から描きたい」「絵具の食いつきが良いキャンバスがいい」、という方のための支持体。
明るい下地といっても、真っ白ではなく、僅かに褐色がかった象牙色。
キャンバスの種類には、下地色のほかに、吸収性などの性質がある。つまり支持体の選択肢には、下地色のほかに、絵具の吸収性、すなわち「絵具がしっかりと根をおろすことが出来るか、あるいは出来ないか」の度合いがある。
絵具を吸い込ませない非吸収性の油性タイプのキャンバスに描かれた絵具は、見る人が見れば「キャンバスから浮いている」ように見える。フジタやデュフィの支持体は、ただ明るいだけではない。
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支持体レポート

ご愛用者様からの声


右から猿渡さん・角田さん
俵屋工房代表



猿渡さんの作品
[ローシエナ下地・100号]



猿渡さんの作品
[ローアンバー下地・100号]



モナリザを模写する角田さん
[レッドアース下地]

猿渡さんと角田さんとの対談 [2008.11俵屋工房にて]

猿渡さんが初めて俵屋工房の手工キャンバスを使われたのは六・七年前でしたね。(高橋)

高橋メソッドの池上教室に通い始めて間もなく、展覧会出品についてご相談いたしました。
先生からは、「キャンバスは、どのようなものをお使いですか」と尋ねられましたが、「どのような・・」という質問の意味が分からないまま困っていますと「分かりました大丈夫ですよ。それでは今回のテーマは?」と質問を変えてくださいました。(猿渡)

基底材や支持体についての説明よりも、まずは一度、使ってみることをお勧めしました。「今までと全く同じやり方で描いてみてください」と・・。
実際の使用感は如何でしたか。(高橋)

どれも衝撃的で、どれから申し上げてよいのか決めかねますが、ひとつは、絵具の食いつきです。下絵では、絵具をテレピン(ターペンタイン)でしっかり薄めてから加筆していたので、従来のキャンバスでは、絵具が垂れ流れることがよくありました。手工キャンバスでは、ほとんど無くなったというか、使い慣れてしまった今では、そういった現象すら忘れてしまいました。
もうひとつは、絵具を塗り重ねるときに、ある程度、厚塗りしないと、絵具の食いつきというのでしょうか、絵具の貼り付きが悪いように感じましたが、俵屋工房のキャンバスは、薄塗りの重ね塗りでも、しっかりフィットします。一層塗るごとに、一層発色がよくなるのが、私のような素人でも実感することができました。(猿渡)

確か初出品で選抜展に推挙され、翌年には会友、その次に会員・・と、あっという間のご出世でしたね。(高橋)

ある年には、キャンバスを作って頂けなかったことがありました。仕方なく普通の市販品を使いましたが、まったくイメージ通りにはなりませんでした。その時に、その性質の違いを再確認することができましたが、作品自体の出来には、大いに不満が残ったことも確かです。(猿渡)

「親指のマリア」様の複製画制作で、上野と九州の博物館に通っていた頃でしたね。大変ご迷惑をお掛けいたしました。手工キャンバスは、40−50号以上になると、とても高度な技術が必要です。今は、その代行者がいないことから、どうしてもご注文をお受けできない場合もあります。その節は、ご理解の上、ご了承頂ければ幸いです。作れる職人を、一日も早く養成したいと思っています。(高橋)

猿渡さんの展覧会は、毎回、拝見させて頂いております。
100号にもなると狭いアトリエでは、とても大きく見えますが、広い展覧会会場に展示すると、たちまち小さく見えてしまう場合がほとんどですが、猿渡さんの作品は、広い会場でも小さく見えないから不思議です。
遠近法によるものなのかもしれませんが、それとは違う、材料的な組み立て方の違いといいますか、キャンバスの奥の方から発色しているような感じがします。(角田)

こちらの「モナリザ(最上段の写真の右側)」は、レッドアースの下地ですね。下絵を二層に分けて描かれていらっしゃいますね。斜光線ですと分かりやすいかもしれませんが、肉眼で拝見しても、絵具の厚みは見えません。すべてキャンバス目の向こう側から発色しています。
例えばカーペットの上に、このお茶をこぼしたら、すぐに染込みます。でもこのプラスチックのテーブルにこぼしたら、染込むことなく蒸発するまでここに浮いています。これが市販の既製品と俵屋工房の手工キャンバスの違いだと思います。(猿渡)

さすが理系のご出身。支持面の性質についても、しっかりご分析された上でのご使用に、やりがいを感じます。
そういえば、猿渡さんも俵屋工房のキャンバスや画材をお使いになられてから、キャンバス会社の賞や絵具メーカーからの副賞を頂くようになりましたね。実は猿渡さん以外の方にも、いくつかご報告を頂いています。画材メーカーだけに、画肌の違いは見逃さないのでしょう。(高橋)

次回の作品は、お城シリーズですか?前回のようにご迷惑にならないよう、出来るだけ早くからご予約頂ければと思います。

・・猿渡さん・角田さん、今日は、お忙しいところ、ありがとうございました。(高橋)




                        
俵屋工房・作家部会


真柳みちこさんからのメッセージ

私の求める画肌や画風は市販のキャンバスでは絶対に得る事はできません。
半吸収性のこのキャンバスを使用すれば、深みのある色彩を得る事ができますし、
絵の具がキャンバスにしっかりと吸着してくれ、安定感もあります。
また半吸収性なので、絵の具がキャンバスを通して呼吸しているのが感じられます。

私にはなくてはならない魔法のアイテムです。





俵屋工房・作家部会の佐藤朋子さんのページです。

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